2010年11月13日土曜日

展示品:木彫 『天神様』


富山の。。。主に西側半分の地域にこんな風習があります。

男の子(長男)が誕生したら、
その母親の里の親から『天神様』を贈る。

天神様はもちろん学業の神様・菅原道真公。
立身出世や学業成就の想いが込められているものと。。。

贈るものは掛け軸もしくは木彫置物。
井波のものとしてはぜひ木彫の『菅公』を贈っていただきたいです。

掛け軸は床の間が無いとね。
最近の傾向としては、マンションやアパートなど、
床の間の無いお宅が多くなったので、
飾りやすい木彫の置物が多くなったように思います。
サイズも小さめで、たまにはケース入りにしたり。

井波には数多くの彫刻師(150名ぐらい?)がいて、
それぞれにこだわりを持った天神様を制作しています。

大野秋次氏のカヤ材の『天神様』

笹川むもん氏のカヤ材の『稚児天神』

このお二人、
一般的な天神様と趣向の違う作品をあえて制作されてます。

今回紹介したのはどちらも色の白くてきれいな杢のカヤ材ですが、
普通はケヤキやクスノキのものが多く制作されてます。

深みのあるケヤキもいいですが、最近の住宅事情を考えると、
品良く、明るい感じの人形置物として愛でることもできる、
こういう作品も好まれています。

余談ですが。
ひと昔前は、長男だけに贈られていましたが、
昨今は「平等に・・・」という理由で、
次男三男の子にも贈られているようです。
そして当地でも、全国的な『五月人形』を贈る風習もあります。
お里のおじいちゃま、おばあちゃまは大変です。。。
孫にはできるだけのことをしてあげたい!
という気持ちがいっぱいなんですねぇ。

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